都会と地方、一人暮らしの生活費の差(月)
23,878円
都会のほうが高い。ただし差の約7割は「家賃」と「外食」で、電車代と車代を合わせた移動のお金は月1,033円しか違いません。
183,824円
159,946円
1,033円
データ:総務省「家計調査」2025年平均(単身世帯・全年代、都市階級別の月平均消費支出)。大都市=東京23区と政令指定都市。
身近な実例:家賃は7万円下がったのに、浮いたのは月3万円
筆者の会社の後輩は国内営業で、最初の配属は東京でした。東京での家賃は月12万円。その後、地方に転勤になり、新しい部屋の家賃が月5万円だったことに「びっくりした」そうです。
ところが、引っ越した先は交通が不便で、車を買うことに。車の維持費がかかるようになり、生活費が実際に減ったのは月3万円ほどだったと言います。
家賃が月7万円下がっても、手元に残るお金は7万円増えるわけではない。「地方に住めば、生活費はぐっと安くなる」とよく言われますが、実際にはどのくらい違うのでしょうか。
最新の総務省「家計調査」(2025年平均)の都市の規模別データを当サイトで集計すると、東京23区や政令指定都市などの大都市の一人暮らしは月183,824円、小都市・町村は月159,946円でした。差は月23,878円、年間にすると約29万円です。ただし、その差の中身を見ると「地方なら何でも安い」わけではありません。
この記事でわかること
- 都会と地方の生活費の差、月2.4万円の中身
- 都会は電車代、地方は車代。移動のお金はどちらが高いか
- 地方のほうが高くなる出費
- 引っ越しを考えるときに確認したい4つのポイント
差の約7割は「家賃」と「外食」

大都市と小都市・町村の差(月23,878円)を項目ごとに分けると、いちばん大きいのは家賃の9,763円、次が外食の6,672円です。この2つだけで差の約7割(69%)になります。外食は大都市が月12,997円、小都市・町村が月6,325円で、約2倍の違いがあります。
そのほか、電車・バスなどの交通費(+4,541円)、趣味・娯楽(+2,592円)、交際費(+2,497円)も都会のほうが多く使っています。お店や遊ぶ場所が多い分、使う機会も増えると考えられます。
通説:「地方は家賃が安い」→ 実際:払っている人どうしでは差は小さい
家賃の差9,763円は、全世帯の平均です。小都市・町村の一人暮らしは持ち家の人が多く(持家率70.5%、大都市は51.2%)、家賃を払っている世帯は25.4%しかありません(大都市は41.5%)。そこで、家賃を払っている世帯だけの平均を計算すると、次のようになります。
| 都市の規模 | 家賃を払っている世帯の割合 | 払っている世帯の平均家賃 |
|---|---|---|
| 大都市 | 41.5% | 50,783円 |
| 中都市 | 34.2% | 52,965円 |
| 小都市・町村 | 25.4% | 44,535円 |
家賃を払っている人どうしで比べると、大都市と小都市・町村の差は月6,000円ほどです。平均の差(9,763円)が大きく見えるのは、地方には家賃のかからない持ち家の人が多いからでした。中都市の平均が大都市より高いのは、大都市に家賃の比較的安い政令指定都市も含まれるためと考えられます。
なお、これは全年代の平均です。東京23区の単身者向け物件の家賃は、この平均よりかなり高くなります。冒頭の後輩の東京での家賃(月12万円)も、大都市の平均(50,783円)の2倍以上でした。手取りから見た家賃の目安は手取り20万の家賃の記事で紹介しています。
都会は電車代、地方は車代

電車・バスなどの交通費は、大都市が月6,830円で、小都市・町村(2,289円)の約3倍です。一方、ガソリン代や自動車保険などの車の費用は、小都市・町村が月10,512円で、大都市(7,004円)より3,508円多くなっています。
2つを合わせた「移動のお金」は、大都市が月13,834円、小都市・町村が月12,801円で、差はわずか1,033円です。地方は電車代が安い分、車にお金がかかっています。
しかも、この数字は車を持っていない世帯も含めた平均です。地方で車を1台持つと、ガソリン代・保険・駐車場・車検などで、実際の負担はこの平均よりずっと大きくなります。地方への引っ越しで車が必要になるなら、電車代が減る以上に出費が増えることもあります。冒頭の後輩も、家賃は月7万円下がりましたが、車を買ったことで、生活費が実際に減ったのは月3万円ほどでした。
地方のほうが高くなる出費:光熱費
光熱・水道代は、大都市の月11,611円に対し、小都市・町村は月14,780円で、地方のほうが3,169円高くなっています。電気代(大都市6,495円、小都市・町村7,984円)のほか、灯油などの「他の光熱」が大都市の487円に対して1,354円と、約2.8倍です。
地方別に見ると、灯油などの「他の光熱」は北海道・東北地方で月3,638円と、関東地方(376円)の約10倍でした。寒い地域に引っ越す場合は、冬の暖房費を多めに見積もっておく必要があります(北海道・東北地方は93世帯の平均なので、目安として見てください)。冬の電気代の目安は冬の電気代の記事で紹介しています。
あなたの暮らしに当てはめる:都市の規模別の月額
| 月平均 | 大都市 | 小都市・町村 |
|---|---|---|
| 生活費の合計 | 183,824円 | 159,946円 |
| 家賃(払っている世帯) | 50,783円 | 44,535円 |
| 外食 | 12,997円 | 6,325円 |
| 電車・バスなど | 6,830円 | 2,289円 |
| 車の費用 | 7,004円 | 10,512円 |
| 光熱・水道 | 11,611円 | 14,780円 |
| 交際費 | 17,779円 | 15,282円 |
オレンジ色は、もう一方より高い数字です。「生活費の合計」以外は、家賃を除いて全世帯の平均です(家賃は払っている世帯だけの平均)。
引っ越しを考えるときの4つのチェック
- 家賃は「払っている人どうし」で比べる
地方の家賃が安いのは確かですが、全年代の平均で見ると、払っている世帯どうしの差は月6,000円ほどです。気になる地域の、同じ広さの物件で比べてください。 - 車が必要になるかを先に決める
車なしで暮らせるかどうかで、地方の生活費は大きく変わります。車が必要なら、ガソリン代・保険・駐車場・車検を月額にして足してください。 - 外食の回数は「場所」より「習慣」
都会の外食費は地方の約2倍です。お店が身近に多いことも一因と考えられます。引っ越しても、外食の習慣が変わらなければ差は縮まりません。20〜30代の外食費の目安は外食費の記事で紹介しています。 - 寒い地域なら冬の暖房費を足す
北海道・東北地方では、灯油などの燃料代だけで月3,600円ほどかかっています。
注意:差の月2.4万円は「そのまま浮くお金」ではありません
家賃と外食を除くと、残りの差は月7,443円です。そこに車の購入費や維持費が加わると、地方に引っ越しても生活費がほとんど変わらない、ということも起こります。「地方なら安い」を当てにする前に、家賃と車の2つを具体的な金額で計算してみてください。
目安が当てはまらないケース
- 20〜30代の一人暮らし:この記事の数字は全年代の平均です。小都市・町村の一人暮らしは平均63.6歳、大都市は55.1歳で、地方のほうが年齢の高い世帯が多くなっています。高齢になると外食や交通費は減りやすいので、差の一部は年齢の違いによるものです。
- 東京23区に住む場合:「大都市」には、東京23区のほか、札幌・名古屋・大阪・福岡などの政令指定都市も含まれます。東京23区だけの家賃は、この平均より高くなります。
- 最近の物価上昇:2025年の平均なので、その後の値上がりは反映されていません。
データの読み方メモ
家計調査の都市階級は、大都市=政令指定都市と東京都区部、中都市=大都市以外の人口15万以上の市、小都市・町村=それ以外です。一人暮らしの都市階級別データは年齢別に分かれていないため、全年代の平均を使っています。集計世帯数は大都市220世帯、中都市311世帯、小都市・町村115世帯で、地方別(例:北海道・東北地方93世帯)はさらに少なくなります。学生の一人暮らしは調査の対象外です。
よくある質問
Q. 東京と地方で、一人暮らしの生活費はいくら違いますか?
家計調査では、東京23区と政令指定都市を合わせた「大都市」が月183,824円、「小都市・町村」が月159,946円で、差は月23,878円です。東京23区だけの数字は公表されていません。
Q. 地方に住むと、家賃はいくら安くなりますか?
家賃を払っている世帯どうしで比べると、大都市が月50,783円、小都市・町村が月44,535円で、差は月6,000円ほどです(全年代の平均)。
Q. 地方は車がないと暮らせませんか?
地域によります。家計調査では、小都市・町村の一人暮らしの車の費用は月10,512円で、大都市より3,508円多くなっています。車を持たない世帯も含めた平均なので、車を持つ人の負担はさらに大きくなります。
Q. 地方のほうが高くなる出費はありますか?
光熱・水道代です。小都市・町村は大都市より月3,169円高く、北海道・東北地方では灯油などの燃料代が月3,638円かかっています。
まとめ
- 一人暮らしの生活費は、大都市が月183,824円、小都市・町村が月159,946円。差は月23,878円
- 差の約7割は家賃と外食。家賃を払っている人どうしの差は月6,000円ほど
- 都会は電車代、地方は車代で、移動のお金の差は月1,033円だけ。光熱費は地方のほうが高い
引っ越しを考えているなら、まず「家賃」と「車が必要かどうか」の2つを、具体的な金額で比べてみてください。
データの出典と集計方法
- データの基準年:2025年(2026年10月時点で公表されている最新の年平均)
- 出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」単身世帯 詳細結果表 第3表(都市階級・地方別1世帯当たり1か月間の収入と支出)(e-Stat)
- 「家賃を払っている世帯の平均家賃」は、家賃地代÷家賃・地代を支払っている世帯の割合で当サイトが計算しました。「差の約7割」「移動のお金」(交通+自動車等関係費)も当サイトの計算です。グラフ・表も当サイトが作成しています。
- 最終確認日:2026年10月27日