平均的な収入差(約64対36)のカップルで、折半と収入比の負担の差(1人あたり・月)
37,385円
二人の収入は平均でもおよそ6対4。「折半が公平」とは言い切れません。
136,781円
99,396円
114,056円
データ:総務省「2024年全国家計構造調査」(2024年10・11月)。20代の二人暮らしの生活費(月273,562円)を、20代の共働き夫婦の平均の収入比で分けた当サイトの計算。
身近な実例:「基本給は家に、残業代は自分に」のルールで守ったおこづかい(運営者自身の話)
結婚したとき、わが家は二人の生活費と貯金をまかなうために、「私の基本給(手取り)は全額妻に渡して家計を任せ、残業代は私のおこづかいにする」というルールにしました。当時は入社2年目で、手取りは20万円に少し届かないくらい。残業代も月3〜5万円ほどだったので、「おこづかいは月3万円」のように決まった額でやりくりしている友人たちと、大きくは変わりませんでした。
その後、転職して基本給は33万円に。同じ残業時間でも単価が上がり、残業代は月7〜10万円ほどに増えました。ある日、妻に「残業代ってどのくらいあるの?」と聞かれて正直に答えると、「そんなにあったの!?」と驚かれました(笑)。それでも基本給が上がった分、家に入れる金額も増えていたので、ルールはそのまま「基本給は全額」で合意。なんとか、おこづかいを守ることができました(笑)。
生活費の分け方は、折半や収入比だけではありません。「どの収入を家に入れるか」で決める方法もあります。ただ、昇給や転職、残業の増減で二人の収入が変われば、同じルールでも家に入る額と手元に残る額は変わります。分け方を決めたら、収入が変わったタイミングで見直すのがおすすめです。
同棲や結婚で二人暮らしを始めるとき、多くのカップルが悩むのが「生活費をどう分けるか」です。きっちり半分の折半がわかりやすい一方で、「収入が違うのに同じ額を払うのはおかしい」という声もよく聞きます。
総務省「全国家計構造調査」(5年に一度の大規模調査で、最新は2024年)を当サイトで集計すると、20代の共働き夫婦の収入は、平均でおよそ64対36でした。この差のまま生活費を分けると、折半と収入比では収入が少ない側の負担が月約3.7万円変わります。
この記事でわかること
- 二人の収入は、平均でどれくらい差があるか
- 折半・収入比・項目別で、負担がいくら変わるか
- 二人の収入差別の負担の目安
- 分け方を決める3ステップ
二人暮らしで生活費がいくら安くなるかは、同棲・二人暮らしの生活費の記事で紹介しています。この記事では、その生活費(20代平均で月273,562円)の分け方を考えます。
「二人で住むなら折半が公平」は本当?
まず、二人の収入にどれくらい差があるかを見てみます。勤め先からの収入(額面)で比べると、20代の共働き夫婦では世帯主(主に夫)が月360,597円、配偶者(主に妻)が月205,790円。配偶者の分は二人の収入の36%でした。30代の夫婦でも33%と、平均ではおよそ「6対4」から「2対1」の差があります。

さらに30代の夫婦を世帯の収入の高さで分けると、比率は大きく変わります。世帯収入が上位40%の夫婦では配偶者の分が37%あるのに対し、下位40%では13%しかありません(働いていない配偶者も含む平均)。
下位40%の夫婦では、配偶者の収入は平均で月39,317円。その世帯の生活費の半分(月107,840円)の36%にしか届かない計算です。収入差が大きいカップルにとって、折半は「公平」以前に、そもそも払えない分け方になりやすいのです。
折半・収入比・項目別で、負担はいくら変わる?

20代の二人暮らしの生活費(月273,562円)を、平均的な収入比(約64対36)のカップルが分けた場合を計算しました。
- 折半:二人とも月136,781円。わかりやすい反面、収入が少ない側の負担が重くなります。
- 収入比:多い側が月174,166円、少ない側が月99,396円。負担感はそろいますが、収入をお互いに見せる必要があります。
- 項目別:家賃・光熱費・食費・日用品・通信費の「共通の費用」だけを収入比で分け、服や趣味などの個人の費用は各自で払う方法です。多い側が月159,506円、少ない側が月114,056円と、折半と収入比の中間になります。
20代の二人暮らしでは、共通の費用(月166,287円)が生活費の61%を占めていました。項目別は、この共通部分だけ収入差を反映させる、折衷的な分け方です。
二人の収入差別、負担の目安
| 二人の収入比 | 収入比で 分けると |
項目別で 分けると |
|---|---|---|
| 6対4 | 109,425円 | 120,152円 |
| 7対3 | 82,069円 | 103,524円 |
| 8対2 | 54,712円 | 86,895円 |
※収入が少ない側の1か月の負担。生活費は20代の二人暮らしの平均(月273,562円)、折半ならどの比率でも136,781円。項目別は、個人の費用を二人で同じ額と仮定した当サイトの計算です。
収入差が大きくなるほど、分け方による負担の差も広がります。8対2なら、折半(136,781円)と収入比(54,712円)では、少ない側の負担が月8万円以上違います。
分け方を決める3ステップ
- 二人の手取りを出して、比率を計算する
額面ではなく、実際に振り込まれる手取りで比べるのがおすすめです。ボーナスの有無も確認しておきましょう。 - 「共通の費用」と「個人の費用」を分ける
家賃・光熱費・食費・日用品・通信費を共通、服・美容・趣味・交際費を個人、のように線を引きます。迷う項目(外食や旅行など)は、二人で決めておきます。 - 毎月いくら入れるかを決めて、共通の口座やカードにまとめる
折半・収入比・項目別のどれを選んでも、金額を数字で合意しておくと「どっちが多く払った」のもめごとを防げます。
注意:生活費のあとに「残るお金」も比べる
折半でも収入比でも、生活費を払ったあとに各自に残るお金は違います。貯金を二人で考えるなら、生活費だけでなく、毎月の貯金額も同じ比率で決めておくと公平感がそろいます。
目安が当てはまらないケース
- どちらかが働いていない、学生である場合:収入比が9対1や10対0に近くなり、折半は現実的ではありません。
- 奨学金などの返済がある場合:返済分を差し引いた「使える手取り」で比率を出すほうが実態に合います。
- 家賃が高いエリア:共通の費用が大きくなるため、項目別でも収入比に近い負担になります。
データの読み方メモ
同棲中の未婚カップルを区別した統計はないため、子どものいない共働き夫婦(勤労者世帯)で代用しています。20代の夫婦は約110世帯、30代は約310世帯で、30代の世帯収入下位40%は約50世帯と標本は少なめです。収入は勤め先からの収入(額面)で、手取りの比率とは少しずれます。世帯収入別の比率は、働いていない配偶者も含む平均です。調査は2024年10・11月の2か月分です。
よくある質問
Q. 同棲の生活費は折半が普通ですか?
決まった「普通」はありません。ただし統計では、20代の共働き夫婦でも収入はおよそ64対36と差があります。収入差があるなら、折半以外の分け方も検討する価値があります。
Q. 収入比で分けると、いくら変わりますか?
20代の二人暮らしの平均的な生活費と収入比で計算すると、収入が少ない側の負担は折半の月136,781円から、収入比で月99,396円になります。差は月約3.7万円です。
Q. 項目別の分け方とは何ですか?
家賃・光熱費・食費などの共通の費用だけを収入比などで分け、服や趣味などの個人の費用は各自で払う方法です。平均的な収入比なら、少ない側の負担は月114,056円で、折半と収入比の中間になります。
まとめ
- 20代の共働き夫婦の収入は、平均でおよそ64対36。世帯収入が低い層ほど差は大きい
- 平均的な収入差でも、折半と収入比で負担は月約3.7万円変わる
- 迷ったら、共通の費用だけ収入比で分ける「項目別」が折衷案になる
まずは二人の手取りを並べて、比率を計算するところから始めてみてください。
データの出典と集計方法
- データの基準年:2024年(5年ごとに行われる調査の、2026年11月時点で公表されている最新の結果。調査期間は2024年10・11月)
- 出典:総務省統計局「2024年全国家計構造調査」家計収支に関する結果 第1-30-2表(世帯類型・年間収入階級別)(e-Stat)
- 収入の比率は、勤労者世帯の「夫婦のみの世帯(夫30歳未満/30〜39歳)」の世帯主収入と世帯主の配偶者の収入(勤め先収入)から計算しました。世帯収入別は、30代の年間収入五分位を、下位40%(第1・第2)、中位20%(第3)、上位40%(第4・第5)にまとめ、世帯数分布で加重平均したものです。
- 生活費は、同棲・二人暮らしの生活費の記事と同じ20代の二人暮らしの平均(結婚式費用などが入る「他の諸雑費」を除く)です。分け方ごとの負担は当サイトの計算です。共通の費用は家賃・光熱・水道・食料・家具・家事用品・通信の合計としました。
- 最終確認日:2026年11月3日